父が書いた「バーコード先生のはなし。」の中に、
『学ぶこと』
という見出しのお話があります。
父の母親、つまりは私の祖母は、字が読めなかったのです。
父は、祖母が字を読めたらもっと世界が広くなったのではないかと本の中で語っています。
また、知るということが自分の世界を大きくしてくれて、学ぶことで強くなれるとも言っています。
さて、私がメキシコの首都メキシコシティに住んでいたときのことです。
住んでいた地域は、それほど危険な地域ではなかったような気がします。
ある日、メトロ(地下鉄)をおりて住んでいたアパートへ向かって歩いていると、声をかけられました。
声をかけてきたのは赤ちゃんを抱っこした小綺麗な女性でした。赤ちゃんもかわいい服をきています。
その女性は、
「ここの先で、強盗にあってお金を全部とられてしまったんです。家に帰るだけのタクシー代を貸してくれませんか?」
と。
私は本当に驚きました。
しかも、彼女が強盗にあったという方向は私の帰り道でもあったのです。
でも、タクシー代はさすがになぁ、と思い、
「メトロ(地下鉄)代あげます。」
と1ペソを渡そうとしました。しかし、その女性は、
「メトロに乗るのもこわい。今すぐここから離れたいので、30ペソ貸してください」と。
赤ちゃんもいたので、とても怖かっただろうと思い、タクシー代を渡しました。
「気をつけてね。大変でしたね。」
と声をかけて、急ぎ足でアパートへ。
そして、無事アパートに着くと、すぐにルームシェアしていた日本人とメキシコ人のカップルにその話をしました。
「この辺でも強盗とかあるんだねー。」
と、言う私に、二人は、
「ねぇ、それだまされてるよ😆」
と。
えーーーーーー。どーいうこと?
「だって小綺麗だったよー。赤ちゃんつれてたし」
と言う私に、
「それ、よくある詐欺のパターン。わざと綺麗な服きてる。赤ちゃんも👶よくある」
そういえば、貸してと言われたけど、どうやって返す❓
返せないじゃーん。
(でも、私の頭の中では、何年後かにその30ペソを返しにきてくれて、感動の再会💕とか期待もあったようななかったような…。)
確かに、他にメキシコ人がたくさんいる中でわざわざ外国人の私に助けを求めるのもおかしいか…😣
でも、今思い返すと、その女性も『学ぶこと』が欠けていたのかもしれません。
もし、彼女が、学校や社会の中で『学ぶこと』がちゃんとできていたら、彼女の人生はまた違っていたのでは?
赤ちゃんを守る違う方法を知っていたら…
ちょっと昔のことを思い出しました。
『学ぶこと』は自分を強くする、ですね。
バーコード先生
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